委員会・部会活動報告Report

活動報告

令和4年11月19日・20日 委員会を開催しました

11月19日に札幌市内で、住戸単位の断熱改修が買取再販のかたちで行われる事例を視察しました。
工法自体は本州と大きな差があるわけではありませんが、カーボンニュートラルなどの流れから、
このような動きは北海道以外でも確実に起きることが予測されます。
今まで取り組んできたことを武器に、工務店も住戸の断熱改修に取り組むことが重要です。

その後、北海道科学大学 名誉教授 福島 明 先生などからマンションの外断熱改修についての講義を受けました。
北海道のような環境だと、住戸単位での断熱改修は効率的ではなく、1棟まるごと外断熱をする方が効果的である。
1回目の断熱改修費用は、一般改修より5割程度増となるが、
2・3回目の工事では外断熱改修を行ったことで施工範囲が少なくなり、改修費用が減少する。
外断熱改修は長期的にみれば、建物の維持管理に必要となる工事費の減少につながり、
一般改修では実現できない住環境が得られるといったメリットがあり、
外壁の維持管理のコスト削減などをあわせて、今後の選択肢となっていくことが予測されます。

20日は、実際に外断熱改修工事を行ったマンションを視察しました。
改修当時の管理組合の理事長や山本亜耕建築設計事務所 山本 亜耕 氏などからお話をいただきました。
外断熱改修を行うに至った経緯や、
補助金の利用で苦労した点(実績報告の審査に時間がかかり、入金が想定より大幅に遅れた)、
コンサルタントの活用で苦労した点、モルタル工事の施工精度、改修後の居住性の変化、
外断熱改修によるコンクリート中性化の抑止効果などについてお伺いしました。

マンションの外断熱改修は北海道以外の地域では、なかなか実績は増えておらず、
個々の工務店で対応できることではないので直接的には参考になりませんが、
会員が関わっているマンションなどでは外断熱について視野に入れておくことも有効です。